「男性にスキンケアなんて必要ない」
そう言われていたのは過去の話であり、今や男性がスキンケアすることが普通になってきました。
私(40代)が20代だったころのスキンケアといえば、「髭剃り後にローションをつける」くらいだったと思います。
しかし、ここ20年ほどで私たちの生活環境は大きく変わりました。地球温暖化が急速に進み、年間を通じて「紫外線」への備えが必要になってきました。
「小麦色に焼けた肌が健康的だ」なんて言われていた時代は終わり、紫外線を浴び続けることは危険であるというのが最近の見解です。
そこで注目されるようになってきたのが「メンズスキンケア」です。
紫外線から肌を守るためのUV対策はもちろんですが、肌ケアそのものへの意識も高くなってきました。
つまり、あなたがスキンケアに積極的であることは極めて正しい選択なのです。
今回この記事では、あなたに知っておいていただきたい「メンズスキンケアの基本」についてご紹介します。
あなた自身ご存知知識もあれば、初めて知る内容もあるはずです。ぜひ参考にしていただき、これからのスキンケアにお役立てください。
Contents
男性こそスキンケアが必要な理由

男性の皮膚は固くて強そうなイメージがありますが、じつは女性以上にダメージを受けています。
なぜなら、男性と女性の肌には特性上の違いがあるからです。その違いが原因となり、肌トラブルを引き起こしています。
まずは、男性の肌と女性の肌を比較してみましょう。
皮脂の分泌が多い
「男性が女性より皮脂の分泌が多い」ということは何となくイメージできると思います。
しかし、どれくらい皮脂量が多いのかは想像できないでしょう。何と、男性は女性よりも3倍も皮脂が多いといわれているのです。
皮脂など必要ないかといえばそうではありません。適度な潤いを保つうえで皮脂は需要な役割を果たしているのです。
とくに男性は肌水分が少ないため、皮脂を多く分泌することで皮膚を保護する役割を担っています。
しかし、余分な皮脂は「肌トラブル」の原因となります。皮脂が毛穴をふさいでしまい、ニキビなどの炎症を引き起こしてしまうのです。
スキンケアにおいて余分な皮脂を取り除くには「洗顔料」を使います。
洗顔料を使って余分な皮脂や汚れを取り除くことで、肌トラブルを予防できるのです。
髭剃りで肌を痛める
男性は女性と異なり、毎日のように髭を剃ります。そして、髭を剃ることにより、肌を傷つけているのです。
髭剃りの刃が肌表面を滑るたび、肌表面の水分や脂分が失われ、乾燥肌と同じような状態になります。
細菌が入りやすくなり、炎症などの肌トラブルの原因にもなるのです。
シェービングクリームなどを、塗ってから髭を剃れば、保湿効果により肌へのダメージは少し和らぎます。
しかし、髭剃りの金属刃を肌に当てる行為は想像以上に肌にダメージを与えます。それゆえ、髭剃りの後は念入りな保湿が必要になるのです。
水分量が少ない
男性の肌の水分量は、女性に比べて50%ほど少ないです。
水分量が少ないために引き起こされる肌トラブルも少なくありません。たとえば、「シミ」や「たるみ」の原因は水分不足にあるといわれています。
また、乾燥した肌は弾力性が弱いために裂傷を起こす引き金となります。「あかぎれ」や「唇が切れる」といったトラブルの多くは、「水分不足」が起因している場合もあるのです。
そこで、肌は水分不足を補うために皮脂を分泌します。そして、皮脂が過剰に分泌されることで、さらなるは肌トラブルを招いているのです。
男性に必要なスキンケア

男性にとって必要な基本的スキンケアは3つです。
この3つのスキンケアを継続することができれば、何も肌ケアしなかった頃と比べてはるかにきれいな肌になります。
洗顔
洗顔をすることで、皮膚の表面についた汗や汚れをきれいに落とします。また、毛穴に溜まった余分な皮脂を洗浄することができるのです。
ベタついた肌がはサッパリしますので、これでスキンケアが終わってしまうような気になります。私自身、男のスキンケアは「洗顔料で顔を洗うこと」だと思っていたくらいです。
以前は洗顔後に顔が突っ張るタイプが多かったように思いますが、最近はあえて潤いを残す洗顔料が中心となってきました。
いずれにせよ、洗顔はスキンケアの下地をつくるうえで欠かせない工程です。肌をきれいな状態にして、次の肌ケアにすすみましょう。
保湿
「洗顔」と「保湿」はセットです。洗顔でサッパリしたところなのに、何で保湿する必要があるのか疑問をもつ方も少なくないでしょう。
私自身、保湿は乾燥肌の方だけに必要であって、脂性肌には関係ないと思っていました。
しかし、スキンケアについて調べているなかで、この考えは完全に間違っていることを知りました。洗顔で失われた水分や油分を補うために、すばやく皮脂を分泌しようとします。
その結果、洗顔前と変わらないベタついた肌に戻ってしまうだけでなく、過剰な皮脂分泌により肌トラブルを起こしやすくなるのです。
スキンケアにおいて、化粧水や乳液・クリームが「水分不足」に対抗する施策となります。洗顔後はできるだけ早く「保湿」しましょう。
紫外線対策
紫外線を浴びすぎると「活性酸素」が発生し、肌を老化させるといわれています。また、紫外線は「シミ」や「そばかす」の原因になるため、積極的にガードしなければいけません。
健康な肌を維持するため、紫外線は間違いなく「大敵」です。せっかく洗顔や保湿で肌を整えていても、紫外線はそれ以上に肌にダメージを与えると考えてください。
ただし、紫外線は悪いことばかりではありません。適度に紫外線を浴びることで生体リズムが整い、「殺菌効果」があるともいわれています。
とはいえ、紫外線対策は一年を通して必要になります。「日焼け止め」や「サングラス」などを活用して、肌へのダメージを最小限に抑えましょう。
メンズスキンケアアイテムの選び方

メンズスキンケアアイテムを選ぶうえで一番の条件は、「自分の肌に合っていること」に尽きます。
肌につけたあとは何時間もそのままで過ごすため、気持ちよく過ごせなければ意味がないからです。
自分の肌に合っているかどうかの判断は、以下の点に気をつけてみると良いでしょう。
使い心地が良いものを選ぶ
スキンケアアイテムは本当に色んな種類が揃っており、肌につけたときの感触はすべて異なります。
実際につけた時に感じるわかりやすい感触は以下の2つです。
- ベタつきを感じる
- ツッパリ感を感じる
なぜ、上記2つの感触にわかれるのかというと、「乾燥肌」と「脂性肌」に合わせてつくられているスキンケアアイテムが多いからです。
「ベタつき」を感じる場合は、時間が経つとともに肌がテカってきます。過剰な潤いは「ニキビ」などの肌トラブルを招きますので、自分の肌には合っていないということになります。
一方、「ツッパリ感」を感じる場合は保湿成分が少ない可能性があります。具体的には、肌の収縮性がなく引っ張られているような感触です。
水分不足の肌は外からの刺激に弱く、肌荒れや細菌などが付着しやすくなります。
上記2つの状態を感じたときは、まずは反対の特徴をもったスキンケアアイテムに切り替えるのがおすすめです。
肌質に合ったものを選ぶ
自分に合ったスキンケアアイテムを選ぶにあたり、自分の肌がどのような特徴があるのかを知っておくことは大切です。なぜなら、肌質に合ったスキンケアアイテムが揃っているからです。
通常、人の肌質は以下の4つに分類して考えます。
- 乾燥肌…カサカサになることが多く、皮脂が少ない肌質
- 脂性肌…肌にツヤがあり、皮脂でテカっている肌質
- 混合肌…乾燥する部分と皮脂でテカる部分がある肌質
- 普通肌…カサつかず、テカリのない肌質
メンズスキンケアにおいても、さまざまな特性のアイテムが揃っています。
実際に色んなブランドのスキンケアアイテムを使ってみましたが、自分の肌にしっくりくるタイプは確実に存在します。
自分の肌質をよく観察して、特徴に合ったスキンケアアイテムを選びましょう。
刺激が少ないものを選ぶ
ほとんどのスキンケアアイテムは、肌に刺激の少ない成分が入っています。肌に直接つける以上、当然のことといえるでしょう。
しかし、価格をおさえるために「合成成分」をつかったスキンケアアイテムもたくさんあります。
なぜなら、肌にやさしい「自然由来」の成分を使えば大量生産が難しく、そのうえ価格も高くなってしまうからです。
つけた瞬間に「ピリッ」という刺激を感じるものもあれば、時間が経つと「かゆみ」を感じるものもあります。
そのため、スキンケアアイテムについては刺激の少ない「自然由来」の種類を強くおすすめします。
もしも「シミ」などの肌トラブルを起こしてしまったら、元どおりの肌に戻るのはとても難しいからです。
価格を抑えたスキンケアアイテムを使用する際は、「パッチテスト」などをおこない、自分の肌との相性を確認されることをおすすめします。
男性スキンケアの基本手順

メンズスキンケアの基本的な順番は以下のとおりです。スキンケアの手順については以下の記事で詳しく記載しておりますので、ここでは簡単にご紹介します。
洗顔
- 手を清潔にする…スキンケアは両手を使いますので、まずは手をきれいに洗いましょう
- ぬるま湯で顔を濡らす…冷たい水は毛穴が締まり、熱いお湯だと皮脂が抜けて潤い不足になります
- 洗顔料を泡立てる…ネットで泡立ててから「泡で洗う」イメージで洗顔します
- 泡を使って汚れをおとす…泡をキレイに洗い流しますが、擦らないよう注意しましょう
保湿
- 化粧水をつける…洗顔後はできるだけ早く化粧水をつけます
- ハンドプレス…両手で肌を包み込むと手の体温で化粧水の保湿力が高まり、すばやく潤います
- 乳液・クリーム…化粧水をつけて終わりにするのではなく、乳液やクリームで化粧水の蒸発を防ぎましょう
UV対策
- 日焼け止めを顔につける…日焼け止めを顔の数カ所にわけてつけます
- 少しずつ顔全体にのばす…数カ所にわけた日焼け止めを均一にのばします(二度塗りがおすすめです)
メンズスキンケアの手順については、以下の記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。
メンズスキンケアは内側のケアも大事

スキンケアに必要なことは、肌につける施策だけではありません。普段の生活を見直すことで、健康な肌を目指せるのです。
食事
肌トラブルの発生を防ぐには、食生活を見直してみてはいかがでしょうか。
脂質や糖類を含む食品を過剰に摂取することは、「ニキビ」などの肌トラブルを引き起こす原因となります。
残念ながら、私たちが何気なく口にしている食品の多くは、肌にとって良くない成分が含まれています。
脂質や糖類は「美味しさ」という面では魅力があるため、あらゆる食品に使われているのです。
一日三食のうち、朝ごはんだけでも「和食」に変えてみてはいかがでしょうか。
和食は脂質や糖類が少なく、肌に良い食材も多く使われています。
たとえば、「納豆」には肌に良い「ポリアミン」という成分が含まれており、毎日食べることで健康な肌への後押しとなります。
食事は毎日のことですし、気をつければ簡単に見直すことができる施策です。ぜひ一度、あなたの食生活を見直してみてください。
睡眠
良質な睡眠は健康な肌を維持するうえで欠かせません。
なぜなら、肌細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」は、眠っているあいだに促進されるといわれるからです。
しかし、日中の疲れやストレスが引き金となり「睡眠不足」になりやすいことも事実です。
そこでおすすめなのが、就寝前に軽い運動を習慣にするということです。
なかでも「ストレッチ」は入浴後でも汗をかかずに済みますので、スムーズに入眠することができるようになります。
習慣化するまでは少し面倒に感じるかもしれませんが、眠りの質が格段に良くなることは医学的にも実証されています。
ぜひ、就寝前のす
水分補給
肌の状態を健康に保つなら、「水分補給」を意識的におこなうことをおすすめします。
なぜなら、人間のからだの大部分は「水分」でつくられているからです。
とくに「乾燥肌」だと感じている方は、こまめに水分補給する習慣を取り入れてみてください。
一週間も継続できれば、あきらかに肌質が変化したことを実感できるはずです。
こちらも習慣化するまでは大変ですが、手軽におこなえる肌質改善に有効な施策の一つですので、ぜひとも生活の一部として取り入れてみてください。
肌に良いといわれる成分の一つとして「シリカ」があります。天然のシリカが豊富にふくまれたミネラルウォーターもありますので、以下の記事もご覧になってください。
まとめ
今回この記事では、メンズスキンケアの基本をまとめてみました。
あなたがスキンケアに取り組むうえで参考になる部分もあれば、「自分には関係ない」という内容もあったかと思います。
実際のはなし、肌の状態は人それぞれであり「これが正解」というスキンケアは存在しないのかもしれません。
ここでご紹介した方法は基本的なスキンケアですが、男性の肌ケアに必要な内容はまとめたつもりです。
肌にトラブルがある方は皮膚科専門医に相談したり、スキンケア商品販売スタッフの方に相談してみるのもおすすめです。
ぜひ、あなたに合ったスキンケアをみつけていただき、紫外線などの肌トラブルに負けない素肌を目指しましょう。